未来を見据えた若手育成はどの業界にとっても喫緊の課題。なかでもとくに苦戦しているのが物流業界です。インタツアー社の実施した調査によると、大学生の物流業界への志望度はわずか4.9%で、全19業界中16位という非常に低い水準でした。
どうやったら若者に物流業界を志望してもらえるだろう?
どうすれば自社の魅力をZ世代に伝えられるだろう?
……といった悩みを真剣に解消するため、同業同士の人事が集まり知見をシェアし合いました。
今回の記事は2025年6月に実施した人事る部のイベント「 Z世代に選ばれたい物流会社が集まる人事交流会」についてのレポートです!
人事る部とは?

【人事にガチンコで取り組む】=【人事る】——と私たちは定義して、本気の人事・採用担当者が集い情報交換できる場づくりに力を注いでいます。採用に関するワークやディスカッションを通して、ポジティブな繋がりを作れる人事交流会を大阪で定期的に開催。これまで100名以上の“人事る”人たちが集まっています。
右も左も物流会社ばかり
開催のきっかけとなったのは今年4月にインテックス大阪で開催された第6回関西物流展です。私たちNOVELは若干場違いながらもこの展示会に「人事る部」のPRとして参加しました。おかげさまで物流業界の皆さまの反応は上々!
足を止めてくださった人事担当からいただいた意見の中でも、特に多かったテーマである「物流業界がZ世代の採用を成功させるには?」を主題に据えて、満を持しての開催となりました。


今回で12回目の開催となる人事る部ですが、「業界縛り」は久しぶり。
約1年前に「IT人事」で集まった以来です。右を見ても左を見ても物流企業の同業者ばかりです。
現場力の強化、組織の若返り、将来を担う人材の確保——。いま物流業界が抱える“若手採用”という共通のミッションを前に、試行錯誤する19名の人事が一堂に会しました。
「ナビ媒体どこ使ってます?」「やっぱり “夜勤” って言葉が出た瞬間に流れが変わりますよね(笑)」というライトな情報交換から「●●という理由で新卒が●ヶ月で辞めてしまって…」というちょっとディープな事例共有まで。今日だけは競合ではなく仲間として、ざっくばらんに交流している姿が印象的でした。
Z世代はどう見ている?データではなく実感を知りたい
トークテーマを設定した座談会、アルコールありの懇親会など複数のコンテンツを用意した今回の人事る部ですが、中でも目玉となったのは「採用ピッチ大会」でした。
普段から学生に対して行っている企業説明会を披露してもらうという一見シンプルな企画。ただし、普段と違うのは、直後に聴衆からフィードバックが飛んでくるという点です。人事る部がパネラーとして招いた4人の現役Z世代に講評してもらいます。就活で物流企業を希望していない4人に集まってもらいました。まさに「振り向いて欲しい人材」の好モデルといえるでしょう。

物流業界ノータッチ層の持つイメージ
ちなみに、彼らの物流業界に対するイメージを聞いたところ、次のような回答がありました。
《物流業界に対するイメージ》
「力仕事しないといけない? という不安がある」
「風通しの悪さなど、悪い意味でレガシーさを感じる」
「単純作業が続きそうで、しんどそう」
「おじさんばっかりの縦社会なのかな? というイメージ」
「社会貢献しているのは分かるが、キツそうで自分には無理そう」
……とのこと。残念ながらネガティブな声ばかりです。
関係各位みなさまの「いやいやいや」という反論の声が聞こえてきそうですが、甘んじて受け入れましょう。重要なのは事の真偽ではなく、このようなイメージが志望を阻んでいるという課題意識。実態が伴わないものだとすれば、むしろラッキー。誤解をといてギャップを埋めるだけで状況は大きく変わるかもしれません。
いざ、プレゼンへ——
「採用ピッチ大会」のプレゼン側として挙手してくれたのは、株式会社上組様と阪南倉庫株式会社様の2社。資料を投影して、普段の説明会をダイジェスト版で披露してもらいました。


業界理解が浅い、または皆無であるという前提で説明をしたり、説明会という半ばクローズドな場だからこそ見せられる社員のカジュアルな姿をアピールしたり、2社ともさまざまな工夫が見受けられました。
《学生から集まったフィードバック》
「全く知らなかった物流業界にも興味が湧いてきた」
「会社の誠実な姿勢が伝わり、漠然と抱いていたネガティブな印象は払拭された」
「実際に現場で “どういう仕事をするのか” をもっと具体的に知りたい」
「説明会だけでは分かりにくい部分があった。インターンや職場見学で補完できるかも」
……など。 “エントリーも志望もしていない” という立場だからこそ、核心に迫る改善点を指摘してくれますし、利害関係が無いのでポジティブな意見は素直に受け取ることができます。
ひとえに「物流」といってもそれぞれ商流や役割が異なる2社ですが、どちら魅力的な説明会でした。求職者のターゲットも異なるし、ターゲットが異なればアピールする内容や角度も自ずと変わってくるはず。採用の「勝ち筋」はひとつではないことも再確認できるワークでした。
恒例の懇親会
19名の参加者+4人のZ世代。今回もおかげさまで大盛況でした!!

▼参加してくれた人事の声
「同業他社の人事と交流する手立てがまったくない中で、この企画は大変ありがたかったです」
「実際に学生さんと交流し、繋ぎ止めに有効な施策について色々と意見をいただけたことが印象に残っています」
「他社の会社説明会を見ることが、今後の採用活動のヒントに繋がりました」
「他社様のプレゼンを聞く機会などありませんので参考にできる箇所がたくさんあってよかったです」
「新卒生の意見を “直接” 聞けたのが他にないコンテンツだった」
「プレゼンに対する学生の声を聞けたのは参考になった」
▼人事る部運営から一言
これまでは業界を問わず「人事なら誰でも!」という交流が中心でしたが、今回は1年以上ぶりの業界縛り。物流に限定した開催となりました。リアルな悩みから小さなあるあるまで、同じ業界だからこそ飛び交った会話も多かったのではないでしょうか。参加者のみなさまからも好評でなによりです。
引き続き、前向きな学びに変えていけるこの場を、これからも大切に育てていきたいと思います!
▼まだまだやります!人事る部!
毎度毎度テーマを変えながら、人事る(=人事をガチる)人たちが集まる人事る部。
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