大幅に感染者数は減ったものの、新型コロナウイルスはいまだに終息しておらず、感染防止対策をしつつ日常生活を送っていく「ウィズコロナ」の考え方が定着してきています。
それは就職活動においても同様で、就職フェアや会社説明会など、不特定多数の人との接触機会のある場面では、マスクを着用することがマナーとなりつつあります。
では、採用面接の際はどうでしょうか?マスクは着用すべきなのでしょうか?
今回は、マスク着用での面接のマナーや面接官に好印象を持ってもらえるコツについてご紹介します。
目次
1.面接時も基本的にマスク着用OK
2.面接でのマスクの種類や、注意点
3.マスク着用を確認するタイミング
4.マスクをしたままでも好印象を与えるコツ
5.まとめ
1.面接時も基本的にマスク着用OK
以前までは、マスクを着用したまま面接を受けるのはマナー違反だとされていました。そのため、風邪や花粉症でマスクを着けていたとしても、よほどの理由がない限り、面接に臨む際には外すのがマナーでした。
ところが現在は、これとは正反対の考え方が定着しており、あらゆる場面でマスクの着用が義務のようになっています。
採用面接においても、面接官の大半はマスクを着用しているので、特別な指示がある場合を除き、応募者側もマスクは外さないのが基本だと考えてよいでしょう。勝手な判断で外してしまうと、危機管理意識の低い人だと思われたり、組織のルールを守れない人だと評価されてしまうかもしれません。
面接日程の調整などで、企業とメールや電話で話す機会がある場合は、当日の注意事項やオンライン面接に使用するPCやスマートフォンなどのIT端末についてだけではなく、マスク着用の要否を事前に確認しておくと良いでしょう。
「マスクを着用したままでいいのだろうか」という不安な気持ちを事前に解消することで、安心して面接を受けられるようにもなります。また、転職エージェントを利用している人は担当のキャリアコンサルタントに確認しておきましょう。
2.面接でのマスクの種類や、注意点
マスクの着用は問題ありませんが、面接で着用するマスクにはいくつか注意が必要です。
明確なルールやマナーが定められているわけではありませんが、ビジネスシーンにふさわしいものを着用しましょう。
面接時にふさわしいマスクの種類と注意点についてご紹介します。
2-1.マスクの種類
最近はマスクもファッションの一部として、多様な色柄や素材のものが作られていますが、面接においては、やはり、白の不織布の使い捨てマスクが無難です。
色つきのものや布製、ウレタン製のものはビジネスシーンに合っていないだけでなく、マスク自体の主張が強いためにあなた自身の印象も薄くなってしまいます。
マスクを着けることでただでさえ表情が伝わりにくいので、マスクは主張の弱い、控えめなものを選びましょう。
2-2.マメに交換し、清潔感を大切に
デザインだけでなく、清潔感にも配慮してください。
同じマスクを何度も使っていると、ゴム紐がゆるくなったり、素材の表面が毛羽立ったりと、だらしない印象になってしまいます。
就職活動中は、できるだけ毎日新しいものに取り替え、清潔感を保ちましょう。
万が一汚してしまったり、紛失したりしても対処できるように、カバンの中に予備のマスクを入れておくと安心です。
3.マスクの着用を確認するタイミング
マスク着用が基本だとはいえ、なるべく着用について了承を得るようにしましょう。
マスクをつけたままでの面接は、声が聞き取りにくかったり、表情が読めなかったりと、制限が多くなるもの。
「気遣いの一言」があるだけで相手に与える印象は大きく変わります。
以下では、マスク着用を確認する際の具体例をご紹介します。
3-1.面接前に事前確認する場合
当日を不安なく迎えるため、面接日程の調整など、採用担当者と電話やメールで連絡を取り合うタイミングで確認するケースです。
下記のような文言で確認してみましょう。
「面接日程の調整、ありがとうございます。
それでは、○月○日○○時にお伺いさせていただきます。
なお、面接中のマスク着用については、どのようにさせていただくのがよろしいでしょうか?
貴社の方針などがございましたら、ご教示いただけますと幸いです。」
この伺いに対する返答でマスク着用の可否だけでなく、企業の面接スタイルや価値観、文化までも読み取ることもできます。
例えば、「感染防止に向けた厳戒態勢を敷いておりますため、例外なく着用をお願いしています」という返答からは、厳かで規律やマナーを重んじる社風を感じ取ることが出来ますが、「本来であればお顔を合わせてお話したいのですが…こんなご時世なので、○○様の安全のためにも、当日はマスク着用をお願いいたします」という返答からは、人柄やマインド面でのマッチングも重視していることが伺えます。
少しのやり取りからもヒントを得ながら、内定へのチャンスを掴みましょう。
3-2.当日、面接開始時に確認する場合
事前確認をするタイミングが無く当日を迎えた場合は、面接開始直後に確認すると良いでしょう。
下記のようなやり取りで確認してみましょう。
- 面接室に入った直後だけマスクを外して顔を見せて挨拶をし「マスクを着けてもよろしいでしょうか?」と許可を取る
- 着席後、「マスクは外したほうがよろしいですか?」と尋ねる
事前にマスク着用の要否を確認した場合でも、再度確認しておくと丁寧な印象です。
もちろんそれで合否が決まるわけではありませんが、ほんの少しの気遣いができるか否かで、あなたへの印象も、その場の雰囲気もよくなるはずです。
4.マスクをしたままでも好印象を与えるコツ
マスクを着けた状態での面接では、普段と同じ話し方だと、声がこもって届きにくかったり、表情で気持ちを伝えることが難しくなってしまいます。
そのため、声の出し方や話し方はもちろん、身ぶり手ぶりなども工夫して、言いたいことが正しく伝わるよう、特別な配慮が必要でしょう。
マスクをしたままでも好印象を与える6つのポイントをご紹介します。
①大きな声で、はきはきと話す
マスクで口元が覆われた状態では普段に比べて自分の声が小さく聞こえてしまい、聞き取りづらいため注意が必要です。
マスクの着用に加えて、ソーシャルディスタンスで1m以上の距離をとっている場合は、自分が考えているよりも、面接官はあなたの声が聞き取りづらい状況です。
そのため、話す際には相手の聞き取り辛さを理解したうえで、大きめの声ではきはきと話すことを心がけてください。
マスクで声がこもりやすくなりますが、口を大きく動かすことで滑舌よく話すことができます。
また、話が長くなる場合は、途中途中に間をとったり強調したいキーワードをさらに強めに発音したりすることで、話の内容が伝わりやすくなります。
②ワントーン高い声を意識する
声の大きさとともに気をつけたいのが、声の高さです。
声のトーンが下がると、暗い印象や無愛想な印象を与える原因となってしまいます。
そのため面接では、地声よりもワントーン高い声を意識的に出すようにし、相手の好感度を高めましょう。
高い声で話し続けるのが難しければ、話し始めだけでも高いトーンで声を出すようにすることも効果的です。
③ゆっくり話す
マスク越しの声はこもってしまうので、話のスピードが速いとちゃんと聞き取れないことがあります。
一言一言、ゆっくり丁寧に発するように心がけましょう。
特に面接の場面では、どうしても緊張で早口になりがちです。
自分で「ちょっと遅すぎるかな」と感じるぐらいが、相手にとっての聞き取りやすいスピードだと考えて構いません。
ゆっくりと話すことで、冷静で落ち着いた印象を与えることもできます。
④マスクの下で満面の笑顔を作る
マスクで口元が隠れていると、面接官はあなたの目元だけを見て、あなたの表情を判断することになります。
真剣な表情をしているのか、笑っているのか、困っているのか、目尻や眉の位置だけで読み取っています。
そのため、「どうせマスクで見えないから」と言って無表情になるのではなく、むしろいつも以上にしっかりと笑顔をつくることが大切です。
ニッコリと口角を上げて、下まぶたを上にぎゅっとあげるように目を細めれば、目尻が下がり、明るい笑顔がつくれます。
面接の練習と合わせて、鏡の前で何度も試してみて、ベストな表情を見つけましょう。
女性の場合は、アイメイクで印象をアップ
女性の場合はメイクで目元の印象を調整するのも有効です。
やりすぎは禁物ですが、アイラインや眉の描き方次第で、顔の印象を強めたり、優しい雰囲気を演出したりすることができます。
⑤アイコンタクトや相槌で意思疎通を図る
マスクで声や表情にたくさんの制約がある分、面接官とちゃんと会話のキャッチボールができているかどうかも、意識したいポイントです。
声と目元の表情だけでお互いの意思を伝えるので、自分が話すときは、アイコンタクトをとりましょう。
また、面接官からの説明をうけたりや質問をされているときも、面接官の目をてアイコンタクトをとるように心がけましょう。
面接官が話している際には、「はい」や「ええ」など、失礼のない程度に相槌を入れたり、瞬きのタイミング、小さな頷きなども意識しながら、真剣に相手の話を聞いていることを示すと好印象を与えることができます。
⑥念のため、いつでもマスクを外せるようにしておく
感染予防の面で考えると、面接時にマスクを外すよう要望されることは考えにくいですが、本人確認などでマスクを外す場面がないとも言い切れません。
急にマスクを外す場合も想定して、面接前にはマスクの下もちゃんと整えておきましょう。
長時間マスクを着けているとマスク内が蒸れやすく、特に女性の場合は化粧が崩れやすいので、面接直前にメイク直しの時間をとっておくと良いでしょう。
5.まとめ
マスクを着けたままの面接では、声がこもって聞き取りにくく、表情も分かりにくいので、お互いの様子を読み取るのが少し難しくなります。
自分にとってベストな声の出し方や表情のつくり方を知っておくと、面接当日も緊張せずに臨めます。
何度も練習してみましょう。
キャリアタッグの転職支援サービスでは、オンラインや対面での面接練習も行っています。
マスクを着用しての面接に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
プロのアドバイザー目線で、好印象を与える面接のコツを、実践的にアドバイスさせていただきます。