「最後に何か質問はありますか?」
採用面接で、必ずといっていいほど問いかけられる逆質問ですが、うまく答えることができなかったという悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
面接官からの質問に答えるのではなく、あなたが面接官に質問をする、「逆質問」の場面。
企業側は、あなたがどんな質問を返すかによって、さまざまな角度からあなたを評価しています。
そこで今回は、面接官が逆質問をする目的も交えて、自分をアピールする方法についてご紹介します。
目次
1.面接官が逆質問を行う意図
2.逆質問の返し方のポイント
3.逆質問のNGな返し方
4.使いやすい逆質問例13選
5.まとめ
1.面接官が逆質問を行う意図
企業が面接で逆質問をする理由は主に2つあります。
1つは応募者に逆質問をしてもらうことで、企業側は応募者の疑問や不安を解消し、自社への理解を深めてもらうためです。
入社後の姿をより具体的にイメージしてもらうことで、応募者の志望度を高める意図があります。
もう1つは、質問の仕方や質問内容から、企業側も応募者のことをチェックするためです。
この項目では、面接官が逆質問で主にチェックしている3つのポイントについて説明します。
1-1.応募者の志望度
応募者が複数の企業の選考を受けていることは、企業側も承知の上で、面接官は、逆質問の内容によって、自社に対する志望度・本気度を確認しています。
本当に志望している企業であれば、面接前にホームページや求人情報で自社のことをよく調べていて、質問に対しての準備を行っているはずだからです。
そのため、事前にしっかりと企業研究をし、直接聞かないとわからないような具体的な質問をすることで、志望度の高さをアピールすることができます。
1-2.コミュニケーション能力
逆質問は、志望動機や過去の経歴、長所・短所などの質問とは異なり、事前に完璧な答えを用意しておくことができません。
質問は用意してきたとしても、質問に対する面接官の返答が予測できないため、とっさの切り返し方や意見をまとめる能力が問われます。
業界・職種を問わず、ビジネスの場では必ずコミュニケーション能力が求められるので、面接官はあえてこの難しい質問をし、あなたのコミュニケーション能力を見極めています。
面接官の発言を盛り込んだ質問をすることも、アピールの一つとして有効です。
1-3.企業の社風に合うか
逆質問は回答内容の自由度が高いため、「就職先に求めていること」や「働くうえで重視している部分」など、応募者の考え方や姿勢があらわれやすい傾向があります。
そのため、企業はその内容を踏まえ、自社の社風や求める人材像にマッチしているかを確認しています。
例えば、個人の主体性や積極性を求めている企業の場合、「研修制度が充実しているか?」という質問をすると「受け身な人間だ」という印象を与えてしまい、低く評価されてしまいかねません。
企業の社風をしっかりと理解したうえで、逆質問を準備することが大切です。
2.逆質問の返し方のポイント
逆質問の場面では、質問の仕方や質問内容で、企業に対して入社意欲の高さを見せたり、自分をアピールをできれば、面接官に好印象を与えることができます。
具体的には2つのポイントを意識するようにしましょう。
2-1.入社意欲や熱意を伝える
逆質問の場では、「きちんと企業研究をしていること」を伝えることで、その企業への関心の高さや熱意をアピールできます。
その企業が注力している事業や、企業の今後のビジョンについてに質問することで、面接官に対して、企業のことをしっかりと理解したうえで質問しているのが伝わります。
また、入社への熱意をストレートに伝えたり、入社に向けてあなたが準備できることを質問することも好印象です。
例えば、「どうしても御社で働きたいのですが、〇〇として活躍していくために、入社までに取っておけばよい資格はありますか?」などといった前向きな質問は、あなたの貢献意欲や、やる気を伝えることができます。
2-2.自分をアピールする
逆質問の上手な返し方は、単に質問をするだけではなく、同時に自己PRの機会として活かすことです。
採用面接では基本的に、面接官から質問されたことに答えるので、面接の流れによっては自分がアピールしたい長所をすべて伝えられるとは限りません。
そこで、例えば「私は〇〇の経験があるのですが、〇〇職で活かすことはできますか?」など、自分の長所や強みを盛り込みながら逆質問を返すことで、伝えきれていない自分の魅力を伝えることができます。
とはいえ業務と関係のないことをアピールするのは逆効果なので、粘り強さや責任感など、どんな仕事でも求められるような特性が伝わる内容をアピールしましょう。
3.逆質問のNGな返し方
逆質問はうまく質問できればアピールの機会になりますが、質問内容を誤ると、印象を悪くしてしまうこともあります。
ここでは、逆質問で避けたい質問を5つご紹介します。
3-1.「特にありません」は絶対NG!
企業への質問が何もないということは、「その企業に興味がない」と判断されてしまいますので、質問は必ず用意するようにしましょう。
しかし、場合によっては、面接中の会話で用意してきた質問がすべて解決してしまうこともあります。その場合には、「〇〇について疑問点がありましたが、先程詳しくご説明いただいたので、質問は特にございません」と、丁寧に伝えましょう。
3-2.労働条件など、ネガティブな質問をする
逆質問では、給与や福利厚生、残業などに関する質問はできれば避けた方が無難です。
働くうえで労働条件はもちろん気になるとは思いますが、「残業はどれぐらいありますか?」「ボーナスはいくらですか?」といった質問は、面接官に対して「なるべく働きたくない」「仕事のやりがいよりもお金が大切」という意欲のなさを感じさせてしまいます。
給与や福利厚生は本来、あなたが企業に貢献した対価として与えられるものなので、まずは待遇面についてではなく、企業のことや仕事内容にフォーカスした質問をするようにしましょう。
3-3.調べればわかるような質問をする
逆質問は、自分で調べてもわからなかったことを面接官に質問する場です。
そのため、例えば、企業概要や商品情報など、ホームページや会社案内を見れば書いてあるような内容を質問してしまうと、「企業のことを全く理解していない」とマイナスの印象を与えてしまいます。
逆質問を考える際は、企業研究をていねいに行い、実際に自分が働く様子を具体的にイメージしたうえで、疑問に感じたことを聞くようにしましょう。
3-4.広がりのない質問をする
面接官は、逆質問を通じてあなたのコミュニケーション能力もチェックしています。
ですから、あなたが返す質問によって面接官との会話が弾み、何度かキャッチボールができることが理想です。
そのため、話が広がるように、「はい・いいえ」では答えられないオープンな質問をする必要があります。
また、話の展開をある程度予測しておき、面接官の回答に対して追加の質問ができるように準備しておくと良いでしょう。
3-5.抽象的、漠然とした質問をする
会話において、相手のことを考えた質問ができるかどうかも、コミュニケーション能力のひとつです。
そのため、逆質問では、面接官に「答えにくい」と思わせてしまうような質問は避けましょう。
例えば「仕事は難しいですか?」「職場はどんな雰囲気ですか?」といった抽象的な質問や漠然とした質問をしてしまうと、面接官はどう答えれば良いのかわからず、困ってしまいます。
そうではなく、「〇〇の業務で難しいと感じるのはどのような部分ですか?」と、具体的な質問をするように気をつけましょう。
他には「私はどんな印象ですか?」など、自分の評価を尋ねるような質問もNGです。
4.使いやすい逆質問例13選
汎用性が高く、実用的な逆質問をご紹介します。
上手く活用することで、企業理解を深めることにも繋がります。
会社の強み、将来性について知りたい場合
- 競合他社と比較した際の、御社の強みを教えてください
- 5年後、10年後を見据えた事業の展望はありますか?
- 会社が成長していくためには、何が必要だとお考えですか?
仕事内容について知りたい場合
- 配属される部署では、他部署との関わりは多いですか?
- お客様と接するうえで、気を付けていることがあれば教えてください
- 入社後に研修はしていただけますか?また、どなたに、どのようにしていただけますか?
- 私と同じく中途で入社された方は、現在どのように活躍されていますか?
- 新入社員が苦労するポイントなどがあれば教えてください
- これまでの経験で嬉しかったこと、辛かったことがあれば教えてください
入社意欲、やる気をアピールしたい場合
- 将来はリーダーやマネージャーを目指したいと考えていますが、御社の評価制度を教えていただけますか?
- 私が販売職で培った数値管理のスキルは、御社でも活かせる場面があるでしょうか?
- 管理職に就かれている方々に共通点はありますか?
- 1日でも早く戦力として活躍したいのですが、新入社員の方は平均どれくらいの期間で独り立ちされていますか?
- 成果をあげるために出来る自己啓発は、どのようなものがありますか?
5.まとめ
逆質問は企業への質問の機会ではありながら、その内容によって面接官があなたを色んな角度から評価する場面でもあります。
自由に答えられるからこそ、とても難しいですが、上手く活用することで自分を強くアピールできるチャンスにもなります。
本番で焦らないように、事前にしっかりと準備をして面接に臨みましょう。
キャリアタッグでは、仕事のご紹介だけでなく、キャリアアドバイザーによる面接対策サービスも行っています。
面接での質疑応答に自信のない方も、実践的に面接の練習をすることが可能です。
業界別の質問傾向など、気になる方は是非、お気軽にお問い合わせください!