【第6回人事る部(じんじるぶ)レポート】現役人事×早期退職者によるトークセッション。ここでしか語れない本音も飛び出す

2024.07.24

こんにちは、NOVELライターの松井です。

採用関連ツールのクリエティブからRPOまでトータルな採用支援を行っているNOVELは、常々感じていることがあります。

それは、企業活動の要であるはずの<人事>を懸命に取り組む者同士が悩みを共有し、意見を交わす場が関西ではほとんどないということ。

NOVELでは、本気で人事に取り組む人事担当者たちが集い、交流する「人事る部」を発足し、これまで求人広告添削や模擬面接といった、ユニークな企画を実施。
毎回決してググっても出てこない、新しい発見があると好評を博しています。

▼「人事る部」過去のレポートの様子はこちらから
https://novel-group.co.jp/cat_blog/jinjirubu-report

早期退職者×人事担当者、相見える!

第6回目のテーマは、今年も話題になっている新卒人材の早期退職者について。

「最近の若者には根性がない」と一刀両断するのは簡単ですが、早期退職という決断をする背景には必ず何かがあるはず。
ですが原因を突き止めようにも、退職者の本音を聞き出す術はなく真相は闇の中…。
じゃあ、本人たちに聞いてみよう!ということで、実際に早期退職者3名(うち1名は退職検討者)がNOVELに来場。
現役の人事担当者とここでしか語れない本音によるトークセッションをしてもらいました。

前提として、本音で話しつつもまずは相手の価値観を受け入れること。
お説教はNGですが、遠慮はいらず思いやりの心を持ちながら積極的に意見を交わし、
双方にとって実のあるイベントを目指しました。

人事担当者が頭を悩ます!参加企業の半数以上が早期退職を経験

まずは、参加企業様へ事前にアンケートにお答えいただいたので結果の振り返りから。
「3年以内に、早期退職者はありましたか?」という質問には、
・1〜2名あった:42.9%
・3名以上あった:28.6%

という結果に。なんと半数以上の人事担当者が早期退職者を経験。
早期退職の捉え方については「できる限り発生すべきではない」「一定数は発生しても仕方がない」と意見が分かれつつも、やはり良しとしている人事担当者はゼロでした。

近年話題になっている退職代行サービスは約40%の人事担当者が経験しており、サービスの印象に関しては80%以上が「どちらかといえばネガティブ」という結果になりました。
しかし、参加した早期退職者からは「周囲で使っている人が多くいる。辞める人は人間関係などで心身ともに疲れており、自分から退職を切り出すようなゆとりがないんだと思う」と意見が。
若い早期退職者目線の切実な声に人事担当者もサービスの意義や使う理由を理解できたようでした。

退職理由については、80%以上の人事担当者が「聞けたが建前だった」と回答。
やはり、退職する人材に対して本音を聞きだすのはなかなか至難の業のようです。

激白!だから、私は辞めました

では、早期退職者になにが起こったのか? ズバリ辞めた理由を伺いました。

22年卒のAさんは、社是に惹かれて入社。将来は起業を考えており、社内独立支援制度があったのも魅力だったようです。配属先は希望通り営業部でしたが、営業先は一度解約したお客様。電話した途端に怒られることも多かったようで「精神的に追い詰められた」と当時を振り返ります。
人事とも相談し、既存営業の部署へ移動。簡単に折れるわけにはいかないと続けていたものの、入社時に魅力に感じていた社内独立制度が廃止されたのも相まって、2年で退職という結果に。
ただし、入社時にあった起業の夢を叶えるための退職だったため、非常に前向きなものだったとのこと。また退職に際し、上司や人事担当者とよく相談していたようで、人事担当者について「会社の保健室のような存在でした」と、大きな信頼を寄せているようでした。

24卒のBさんは、動物が好きでドッグトレーナーに。犬の預かりやしつけ、日常の世話など念願の仕事だったはず…でしたが、「教育体制がまるでなかったんです」と退職した原因を告白。
一度、二度業務の様子を見せてもらっただけであとは丸投げ。しかも、Bさんは運転に対して苦手意識があったにも関わらず、送迎の仕事も任されます。
「大切にお預かりしてるワンちゃんを乗せているというプレッシャーもあって、運転席に座るとお腹が痛くなるようになってしまって…」と当時の心境を話すBさん。
勇気を出して先輩に相談するも「なんとかなるよ」というアドバイスのみで、上司に関しても心労をかけたことへの謝罪はあったものの改善案が提示されるわけではなく、親と相談し退職を選択したそうです。

どうすれば退職にならなかったのか、を考える

Aさんは、「合わない部署への配属」、Bさんは「教育体制」が退職の原因といえます。
前者の場合はAさんのように配属先を変えることで解決する場合もあるでしょう。
実際にAさんは新規開拓から既存顧客を担当する部署へ移動となり、1年以内の退職は食い止められました。

ただ「教育体制」だけは業界によって実情が異なるのが難しいところ。
例えば、介護業界の参加企業様は「利用者様によって対応の仕方が違うため、座学研修はあまり役に立たない。代わりに現場で先輩全員で後輩を支えていく風土がある」と言います。
また、IT業界の人事担当者様からは「ITは専門職なので、基礎となる知識・技術を身につけるための外部研修はがっつりやっています。知識・技術を持った上で実務に取り組み、成功体験が積めれば自信にもつながる。あとは、コミュニケーションを取ってケアしていくことですかね。もちろん、日々技術は進歩するので、最新の情報をキャッチする前向きさは必要だと感じています」とのことでした。

コミュニケーションの重要性に関しては、多くの企業様が感じるところかと思いますが、
では、どのようなコミュニケーションは適切なのでしょうか。

Aさんからは「会社の先輩としての注意なのか、いち個人(社会の先輩)としてのアドバイスなのかで受け取り方も変わります。雑談と仕事のコミュニケーションを使い分けてくれないと常に緊張してしまいますね」との声がありました。
人事担当者からは「ビジネスでつながっているので過度にベタベタしないようにはしているが、いつでもなんでも相談できるオープンなコミュニケーションは意識している」とのことでした。
また、登壇者からはダメなときはきっちりと注意してほしいとの声が。
企業側は適切な距離感を探っていたのに対し、登壇者はもう少し近くてもいいと感じていたことがわかりました。
その距離感を図る上でも、コミュニケーションは重要で密度、頻度、温度感が鍵になりそうです。

退職検討者がトーク。今辞めるべきかを投票でジャッジ!

最後は、新卒で入社した会社で2年勤めて転職したものの、3ヶ月目にして退職を検討しているCさんの話。
早期退職者を検討するにいたった経緯や胸のうちを聞き、人事担当者が辞めるべきか・続けるべきかを投票し、ジャッジするという企画です。
Cさんはクリエイティブ志望で、ライターとして広告会社に勤務しているものの求めらているのは、クオリティではなくスピードと量のみ。Cさんが「お客様のために」と原稿にこだわると怒られてしまうこともあるそうです。
人事担当者からは、Cさんの置かれた状況を整理、理解を深めるべく
「実際に転職活動で、他社と比較・検討しているのか?」
「今の職場でスキルアップが望めるのか?望めるなら続けるべきではないか」
「スキルアップのためにはどんなことが必要だと思うか」といった、さまざまな質問や意見が飛びます。
Cさんも退職を考えるに至った想いや自分のキャリアに対する考えを答えていきます。

Cさんへの質疑応答が終わり、投票タイムにうつると、ほとんどの参加企業様が「環境を変えるべき」に投票。
では、転職決定! というわけではなく、Cさんはまだ具体的な転職活動を行なっていない状態。
他社と比較することで、今働いている会社の良さが見えてくる部分もあるはずなので、焦らず検討していきましょうという結論になりました。

まだまだ話し足りない!イベントは懇親会へ

最後は人事る部恒例の懇親会へ。
トークセッション中も活発に意見が交わされていましたが、まだまだ話し足りない模様。
早期退職者が自然と人事担当者の輪の中に入り「早期退職って選考のとき不利になりますか?」といった素朴な疑問を投げかけます。
これに対し人事担当者は「大手なら気にするところもあるかもしれないけど、理由がしっかりと説明できれば大丈夫じゃないかな」と人事目線かつ社会の先輩としてやさしくアドバイスをしていました。

普段は出会えない立場同士が腹を割って話し合えていた今回の人事る部。

退職を検討していたCさんは「人事は面接で突破すべき敵ではなく、求職者に対して寄り添ってくれる味方なんだ、と見る目が変わった。早期退職を頭ごなしに否定する考えの人もいなくて安心した」と、人事が身近で頼れる存在だと気付け、自身のキャリアを考えるいい機会になったようでした。

人事担当者様へ取った参加後のアンケートでは
・対話型のイベントで様々な視点の意見が聞けたのがとても良かった。
・企業人事としても本音で話せたと思う。3名の早期離職者の方の声も、他社人事の方の意見も非常に参考になった。
とうれしい意見が。

また、アンケートでは他にも「あまり他社の人事部の方をお話しすることがなかったのでまた参加したい」「新卒採用を頑張っている企業と知り合いたい」と今後の人事る部に期待する声もいただきました。
ぜひ、次回の人事る部にもご期待ください!

松井この記事を書いた人

大阪府出身。天然パーマ。「ドーピングしない」というポリシーに惹かれNOVELへ入社。ライターとして採用系以外にも歴史系やグルメ、紀行文、動画のシナリオなどの幅広い制作経験を持つほか、雑誌の企画や編集業務にも携わる。文章を書く際に気を付けていることは、リズムの良さ。座右の銘は「強くなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格はない」。

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