本記事ではdodaの最新データをもとに、求人数の変動傾向を整理し、自社の採用戦略にどう反映すべきかを詳しく解説します。採用計画の立案や求人媒体の選定に活かせる実務的なヒントも紹介いたしますので、ぜひ最後までお読みください。
最新データで見るdodaの求人数とその推移
2025年現在、求人数は高水準で推移しており、あらゆる業界・業種で人材の取り合いが常態化。同じ求人内容・同じ条件でも自社の求人が埋もれるリスクは年々高まっており、求人広告を出せば簡単に採用できる時代ではなくなったと言えるでしょう。
この項では、dodaの公式データから、全体的な推移を読み解きます。数値で正しく市場を捉えることが、自社採用の勝ち筋を見つけるヒントになります。
直近の求人数の動向
2025年9月時点で、dodaの求人数は約25万件前後です。前月比+1.9%増、前年同月比−1.7%とdoda内では平年並み。転職希望者にとっては、業種や職種、勤務地など、選択肢が豊富にある状態と言えます。
▼dodaの会員登録者数(求職者数)
実際に、dodaの会員登録者数は2024年12月末時点で約934万人(累計)とされており、転職に対して高い意欲のあるユーザーが、dodaに多数プールされていることがわかります。2025年9月の登録者数は、前月比+1.4%を記録しており、前年同月と比較すると+15.7%も増進しています。
▼採用担当が本当に見るべき指標は「有効求人倍率」
単に「求人数」や「求職者数」といった個別のデータを見るだけでは、現在の転職市場の需給バランスを正確に把握することはできません。市場の動向をより深く、総合的に理解するためには、両者のバランスを比較する指標である「有効求人倍率」に注目することが重要です。
ここからは有効求人倍率を基準にして、各業界や各職種の動向を解説します。
直近の有効求人倍率の動向
dodaにおける全体の有効求人倍率は、2025年9月時点で2.43倍です。求職者の数は増加傾向にありますが、求人の数と照らし合わせてみればやはり依然とした売り手市場。母集団形成の難易度の高さが伺えます。
▼採用人事が注目すべきポイント
採用人事に向けた洞察としては、「単に求人広告を出すだけでは数多存在する競合他社と差がつきにくいのが現状。掲載タイミングや訴求内容、媒体選定を戦略的に設計する必要がある」という事実が浮かび上がります。
業種別に見る有効求人倍率の増減傾向
業種別に見ると「コンサルティング」「人材サービス」「IT・通信」などの競争率が非常に高く、反対に「メディカル」「小売・流通」は有効求人倍率が1%を下回る結果となりました。一部を除き、多くの業種で求職者の取り合いが発生しています。
特に近年求人数が増加しているのが「エネルギー」です。前四半期(2025年4~6月)比で107.8%を記録。カーボンニュートラル関連事業の活発化に伴う急進的な需要増が背景であると伺えます。
表:有効求人倍率の推移(業種別)

出典:doda「転職求人倍率レポート」(2025年10月23日)
職種別に見る有効求人倍率の増減傾向
職種別に見ても、11職種のうち8つの職種が有効求人倍率1%を上回り、エンジニアや営業、専門職などでは依然として高い水準で推移しています。
表:有効求人倍率の推移(職種別)

出典:doda「転職求人倍率レポート」(2025年10月23日)
採用人事が注目すべきポイント
これらのデータから読み取れるのは、以前から採用難易度が高いと捉えられてきた職種・業界だけでなく、多くの市場で採用競争が活発化してきているということ。
固定観念やイメージに頼らず、客観的なデータで市場規模を捉え、状況にあった戦略設計が求められます。
dodaの求人件数の変動パターン
求人数は年間を通じて一定ではなく、時期によって波があります。この傾向はdodaに限りません。季節性の変動パターンの波を掴んだ媒体選定、求人広告出稿による戦略的な母集団形成が重要です。
季節によって求人件数は増減
dodaの求人数は9月から徐々に増加し、11月にピークを迎える傾向にあります。
一般に秋頃は上期から下期への切り替わりで予算や営業方針が確定し、採用活動が活発になりはじめる時期。どこの企業でも求人広告のニーズが生まれる傾向にあります。そのため、自社で求人を掲載する場合は「ライバルも多く競争が加熱したタイミング」であることを自覚して、求人広告の品質には十分な注意を払いましょう。
一方で、求人数が相対的に少ない時期は、8月や12月。業種や職種によっては求職者側もまた繁忙期である可能性もありますが、doda内でライバルが少ない狙い目の時期とも言えるでしょう。
求人数データを採用施策に落とし込む方法
dodaの求人データは、自社採用戦略の策定に有効です。市場の動向を把握し、採用施策を最適化するための3つのアプローチを解説します。
dodaの得意業界・職種に照らし合わせた採用設計
母集団形成には、媒体の特性を理解し、職種やターゲットに合わせて採用設計を行うことが欠かせません。dodaは特に「営業」「技術系(IT・通信、メーカー)」「エンジニア職」「企画・管理」の職種で強い母集団を持っています。
上記職種で採用ニーズがあるなら、dodaの活用で効率的な母集団形成が期待できます。
求人数が少ない分野で競合と差別化を図る
一方で、dodaで掲載求人数が少ない職種は、競合が少なく露出効率が高いと解釈できます。dodaのユーザーにとって「希少な求人」として魅力的に思ってもらえるチャンスです。
求人数変動を前提に “出稿タイミング” を最適化
dodaの求人数は時期で変動するため、出稿タイミングの設計が採用成功の重要な要素になります。繁忙期は競合が多くスカウト返信率も下がりやすい一方で、求職者の活動量は最大化します。逆に閑散期は応募総数は減るものの、競合が少ないため求人露出の効率が高まる傾向にあります。
このため、繁忙期は差別化訴求・スピード重視、閑散期は採用広報的な露出・長期的な母集団形成に重きを置くのが理想といえるでしょう。年間の求人データを踏まえて掲載開始時期を戦略的に選定することが、コストパフォーマンスの高い採用につながります。
NOVELのdoda運用代行の特徴
NOVELでは、dodaの求人広告運用において「データとクリエイティブの両軸支援」を強みとしています。求人原稿の制作から、掲載後の応募率分析、スカウト文面の最適化や効果策定まで一貫対応。中途向けのdodaはもちろん、新卒向けのdodaキャンパス、その他目的に応じてさまざまな採用手法で成果の最大化を支援します。
まとめ
dodaの求人数の変動を理解することは、市場動向を知るためだけではなく、自社の採用活動をデータドリブンに設計するための基盤です。繁忙期・閑散期を見極め、時期ごとの変動を見据えた出稿戦略を組み合わせれば、同じ予算でも成果を大きく伸ばすことができます。採用競争が激化する今こそ、dodaのデータを活かした運用設計で、無駄のない採用活動を実現しましょう。